2010年7月31日土曜日
振袖の時の帯結び
戦後経済復興を遂げてから一般の人たちの間でも花嫁衣裳に打掛姿が普及しました。
打掛は武家の礼服だったものですから、戦前は身分階級意識が根強く残っていましたので一般の人は身分を憚って打掛けは着ませんでした。
花嫁衣裳は専ら黒の本振袖を着用していました。その振袖の帯結びは片方の肩から矢羽根のように斜めに形づくった立矢という帯結びです。
江戸時代から若い人は晴れ着の時は立矢に結びました。立矢は若い人の晴れ着用の帯結びとして定着していました。その立矢を斜めにしないで真横にして、真中の箱ダーツにしている部分をめがねというのですが、そのめがねの部分をお太鼓のようにしたのが「ふくら雀」です。
上図のピアノを引いている絵は大正年間に描かれたもので、その絵からも分かるようにふくら雀が結ばれるようになるのは大正年間です。
ふくら雀が普及してからは黒の本振袖の時は立矢に結び、その他の振袖の時はふくら雀に結ぶことが定着しました。
戦後から暫くの間は振袖を着ればふくら雀に結ぶのが習わしになっていましたが、昭和の50年以降になりますと様々な創作結びが考案され、古式のふくら雀は結ばれることは少なくなりました。
きものの場合は帯結びにバリエーションをもたせる以外に趣向の凝らしようがありませんので、美容界やきもの着付け業界の手によって様々な変わり結びが創作され普及していきました。
帯結びはそういう経緯の本に結ばれていますので、礼盛装時はこの帯結ぶでなければいけないという約束事もありません。
皇室では振袖をお召しになられる時は古式に則ってふくら雀しか結ばれません。
そういう習慣に倣って一般の方も結納や御見合いの時などはふくら雀に結ばれては如何でしょうか。
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