2010年8月4日水曜日

伊達締め



芸者が座敷に出る時に着る裾引きの着物を「出の衣裳」と言います。
 裾引きを着る時は帯の下に着崩れを防ぐために一条という裂を帯の下に巻き付けます。
 芸者の場合は赤の一条を巻いて、帯の上下に少し覗かせて着付の演出効果を高める着装をします。
 その一条が博多織りの単帯に真似て、帯よりも薄く狭く、少し短いものを布の代わりに巻く付けるようになります。博多織で出来ていますので、如何にも帯が巻きつけられているように見えるところから、伊達に巻いているという意味から伊達巻きと呼ばれるようになったものと思われます。
 今は前で紐のように結ぶ形になりましたので伊達締めと言っています。
 この「伊達巻き」「伊達締め」と言う言葉は広辞苑にも解説されていません。

 Googleで伊達巻きと検索しますと、どこかのきもの学院が、伊達締めはきもの着付教室によって普及したように解説していますが、伊達締めは伊達巻きという形で着付教室が繁栄する以前から用いられています。
 伊達締めは本来は博多織の物ですが、着付学院が各々独自のオリジナルなものを考案して現在では写真のようにマジックで止める物、シャーアリングされている物などがあります。

 伊達締めは長襦袢の着崩れを少なくするため一本、着物の胸元が着崩れないように、そして同時におはし折りを整えて崩れないように一本、着装する時は2本の伊達締めを使います。
 伊達締めは使用目的から考えますと、薄くてそれでいて紐状に寄ってしまわないで確りと幅を保った状態である物で、柔らかくて軽くて、結び目が大きくゴロつかないものがあれば最高です。これに異論を申し立てる人がいるとすれば着付けの知らない人です。
 そういう観点からどういう伊達締めを選択すればよいかを考えますと、各きもの学院が商業的意図で様々なオリジナル商品を奨めていますが、昔から使われている博多織の伊達締めが一番使い良いと思います。
 何故博多織りの物が一番いいかは、確かな理由があるのですが、長くなりますので詳しくはここをクリックしてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿