2010年10月30日土曜日
偽りか正当か
きもの着付教室は一時は目をつむって石を投げれば当たると言われたほどに沢山ありました。
きもの着付教室の母体は小物の製作会社です。当初は自分の会社で作られた創作小物を実習販売していました。
それが教室にした方が沢山の人が来て数が売れるだろうという事で始まったのが着物教室で、大手の着付学院の母体は小物製作会社です。したがってお稽古をするにあたっては自社の小物をセットで売って、それを使ってお稽古をするというシステムになっています。
着付けという実用的なお稽古事は能書きはどうでもいいのです。着ていて楽で、着崩れが少ない、そして出来上がりの姿が美しく見える、そしてもう一つは着付けをするのに時間がかかりますと着物を着ることそのものが億劫になりますので、少しでも早く着付が出来ればベストでそれ以上のものはありません。
次に考えることは、そういう着付けをするにはどうすればよいかという事です。
私は若いときに応援でストリッパーの着付けをしたことがあります。紐を一本も使わないのです。帯揚げは交差させるだけで結びません。唯一結ぶのは帯締めだけです。帯締めを解けば一度に脱げてしまって裾除けだけになります。その裾除けも挟み込んであるだけですから直ぐに取れて真っ裸になれます。
これは着付ける時は紐で仮止めをしておいて後からすべて紐は抜き取るのです。それでも激しい踊りをしても崩れません。
私はビニールの紐で着付けをして踊らせたせたことがあります。それでも崩れることはありません。
教える場合は一つ一つの小物にいたるまで、確かな認識を持ってもらって使用してもらうために詳しく説明をしていますが、どういう小物を使用しても大した違いはありません。小物は自分が何もしなくても勝手にやってくれるというものではありません。それを使いこなす腕がなければかえって新装小物は不便です。
最も大切なのは技能です腕前です。新装小物を使えば早く上達するという事もありません。みっちりとお稽古をして腕前を上げる以外に、着ていて楽で、着崩れが少なく、美しい出来上がりに、そして早く仕事をするすべはないのです。
そんなことは当たり前のことなのに、これを使えば直ぐに着付ができるようになるというような説明をする所があります。
これは騙されるというよりも経験のない人には理解できない領域ですから、こうすれば簡単でしょうと言われれば引き込まれてしまうのですね。
だから選択する側よりも提供する側が誠心誠意をもって正しく導いていかなければいけないのですが、商業優先に指導するところがあります。
詐欺でなければどういうシステムで指導しようと自由ですが、そういうところは何々学院や教室と謳わないで何々商店や何々会で営業してほしいですね。
参考資料
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