2010年10月1日金曜日

目標のない人生はつまらない


 十三人の刺客を見てきました。
暴君である将軍の弟が次期老中候補に挙がっている。
そんな暴君に政治を任せるわけにはいかないので,そうなる前に暗殺するという物語です。
 昔の七人の侍を彷彿させるような迫力満点の殺戮場面が延々とつづく映画で面白かったです。
 殺される殿さま役はスマップの稲垣五郎で、その殿さまが殺される前に、これまで生きて来て何にも面白く無かった、今日が心が躍って一番面白かったという台詞が大変印象に残る映画でした。
 一藩の城主に収まっているのですが、国を動かせる立場でもないし、藩政は藩の上司が取り行っていて殿さまは蚊帳の外です。女は自我のままに自由になるし贅沢はし放題ですが目標が無いから面白くないのです。
 お金があれば何でも出来る。お金が欲しいと思っている人は沢山います。
 世の中は何だかだと言ってもお金が一番と言う人も少なくありません。そういう人達からすれば羨ましい限りですが、真実はその殿さまの台詞の如く、お金があっても何の目標も無い人生はつまらないと思います。

 幕末の高杉晋作も辞世に句に「おもしろき こともなき世に おもしろく」と残しています。
高杉晋作は上司ですからそのまま幕政が続いていたとしても生活には困らないで生きて行けた立場の人です。
だけどそんな生活では晋作にとっては「おもしろき こともなき世に」なっていたでしょう。
ところが松陰に会って生きて行く目標を得て大活躍し「おもしろく」にしてしまいます。
 彼らにとっては自分の命の長短なんか関係ないのです。世の為、国の為という目標に向かって活躍することが最高の「おもしろく」なのです。
高杉晋作の句の「おもしろく」は己の心が躍る楽しさというよりも、同志と共に国を良くすることに奔走する、そして良くなりそうな「おもしろく」であったのではないでしょうか。
 
 誰もが自分の人生を「おもしろく」にしたいとおもっています。でも自分の事ばかりを考えて生きている時は「おもしろく」は得られません。世の中はギブ・アンド・テイクで他に与えるものが大きいほど自分も「おもしろく」を得られるようになります。この図式は経験をしなければ理解しがたいので説得力に欠けてしまいます。

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