2009年10月15日木曜日

木綿




  木綿の原産地はインドで紀元前2500年頃から栽培され棉織物が織られていたと文献にあります。
シルクロードを通って運ばれたインド木綿の軽やかさに古代ローマの人達はすっかり魅了され
「織られた空気」「流れる水」「夕べの雪」などと呼称して珍重したそうです。
 日本で木綿が織られるようになるのは天文・弘治(てんぶん・こうじ1532~1577年)の頃で桃山時代の末期には
河内・丹波・を中心に山城・摂津・和泉・播磨などで盛んに織られました。
 一般の衣料として普及するのは江戸時代の中期以降です。
それまでは麻が主流でしたが、江戸時代の後期になりますと麻に代わって木綿が広く用いられるようになります。
 それまでの麻は木綿よりも高級な夏の衣料として使用されるようになるという変遷をしていきます。
木綿が一般に広がるまでは、布団なんかなかったわけです。京都の藁ぶき屋根の集落に見学に行きますと
農家の寝室が残されています。
 5寸くらいの囲いが出来るように板の間を低くしてあり、そこにご座や藁をいっぱいに引き占めてその藁にもぐって寝たと言われています。
おそらく町家の人達も真綿で作ったかい巻きなどはなく、農家の人達と同じではなかったかと思います。
 そういう生活ですし、食料事情も良くなかったので、すぐに風邪を引き、風邪を引けば肺炎を併発して亡くなる人が多かったのです。
それが木綿が普及したことによって死亡率がうんと減ったと言われていあます。

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