2010年12月22日水曜日
色無地のきもの
大奥の職員は将軍と御台所に拝謁の出来るお目見(おめみえ)以上と、拝謁の出来ないお目見以下とに区別されています。
<お目見以上>
・上﨟(じょうろう)=御台所のお側に勤め典礼、学芸の
お相手になった。
最上級者ですが表向きには口を
出さない役。
・御年寄(おとしより)=老女とも局とも言った。大奥の
一切を切り回し最大の権力者。
篤姫のドラマでは滝山がその役
職でした。
・お客会釈(おきゃくあしらえ)=将軍の大奥入りやご家
門の来訪時の接待係
・中年寄(ちゅうとしより)=年寄りの助役
・中﨟(ちゅうろう)=将軍の側室。将軍が見染めても直
ぐに枕席にはべらせるというこは
できなかった。上級者に預けら
れて教育を受けてからでないと寝屋
には行けなかった。多くの場合は御
年寄のとりなしで中﨟になった。
そのために権力争いが生じた。
・お小姓(おこしょう)=御台所の遊び相手
・お錠口詰(おじょうぐちつめ)=表御殿と大奥の境目を
守り、将軍の大奥入りをいち速く
伝えた。
お目見以上の役職にはその他に10以上ありますが奥女中の上級者はお錠口詰ぐらいまでです。
中﨟以上は一生奉公で親の死に目に会うために帰宅できる程度です。
上級者の礼装は打掛け姿ですが、その打掛けは中﨟以上は綸子の縫模様です。映画テレビではピカピカの織物の打掛けを着ていますが、あれは嘘です。予算の関係でそうしています。
打掛けの下に着ている服を間着(あいぎ)と言います。
上図の写真を見て頂きますと無地のものを着ています。中﨟以上は紋縮緬と言いまして、地模様のある五定紋か三定紋の無地のきものを着ています。上級者は綸子で下級者は縮緬です
私達の一生には様々な通過儀礼があります。宮詣り、七五三、十三詣り、成人式、結納、入卒式典などは全て厳粛な式典です。その厳粛な式典に訪問着では華やか過ぎて厳粛な雰囲気に不釣り合いである。
もっと雰囲気に相応しい正装が欲しいということで、江戸時代に礼装として着用されていた間着を準礼装として採用して用い始めたのが色無地です。従って、色無地は地模様があって紋付になっているものが正式です。
この色無地は戦後の経済復興に伴って準礼装として一般化されたおきものです。
江戸小紋は細かい柄の一色染めで、着装すれば色無地の趣がありますので、江戸小紋に紋を付ければ色無地として着用してもよいということになりました。
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