混沌とした状況の下では食べる、寝る、性交などの生理的欲求を先ず実現させたいと思います。
弱肉強食の言葉の如く、動物の世界では常に生命が危険にさらされていますので、生理的欲求が実現できれば次に安全で安らかに暮らしたいという欲求が生じます。
人という文字は、人と人とが支え合った形だと言われています。その文字の如く人は社会という人の群れの中でお互いに支え合って生きていますので、安全が確保出来ると自分も社会に帰属して生きたいと思うようになります。
そこまではほとんどの人が実現させますが、それでは満足できないで自分は皆から抜きん出た存在になりたい。即ち自我の欲求を実現させたいと思う人が出てきます。
そして最後は、サラーリーマンはその部署や組織の中でトップに成りたい。政治家は皆さん大臣になりたいと希望しているように、自分は一番注目される存在になりたいと自己実現の欲求が生じます。
この5段階説は人の意欲、欲望と置き換えてもよい心理を実に的確に説明しています。まさにその通りです。 この5段階説では3段階まではほとんどの人が実現させます。とこらが三角形の上に行くほど先窄みになっているのと同様に、四段階の自我の欲求を実現させる人は急激に少なくなります。
それは自分が他者よりも優れた知識や能力を所有していなければいけないからです。 人よりも優れたものを身につけるにはそれだけの苦労と努力が伴いますので、苦労や努力が嫌な人の方が多いから当然です。それでも4段階に進みたいと苦労を買って出人がいる。それは何故か。そこが重要です。 4段階の自我の欲求を実現させることが出来れば、生甲斐のある充実した人生を送れるという大きな褒美が貰えるからです。
四段階を実現出来れば、苦労を厭わず手に入れたものですから、仕事をしていても苦にならず、楽しみに変わっていきます。即ち、永続性のある楽しみに変わって行きますので、充実した人生が送れます。
人生を充実させるには楽しみがネックで、その楽しみは永続性のあるものでなければ人生を大きく充実させることが出来ないと言ってきましたが、マゾロー博士の5段階説はそのことを証明しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿