2010年11月24日水曜日
絹糸について
絹には
(1)生糸=繭玉から糸を繰り出した糸
(2)玉糸=蛹(さなぎ)が2匹以上入っている繭から糸
を繰り出した糸です。28~250デニールと太さ
がまちまちで、その上に節があるので染物には不向
きですから裏地、帯、紬の着尺地などに使用されま
す
(3)真綿紬糸=繭の中には蛾(が)が穴を空けた繭、傷
や汚れた繭、糸口の見つからない繭、途中でもつれ
て糸繰りの出来ない繭、また繭は最後まで糸くりが
出来なくて必ず10%くらい薄皮繭ができます。
そういうのを特殊加工で真綿にします。真綿にした
ものを紡いで糸にしたものが真綿紬糸です。これは
連続糸ですから軽くて丈夫です。
(4)絹紡糸=「けんぼうし」と読みます。これは屑繭を
木綿のように紡績加工をして糸にしたものです。
素材は絹ですが、絹独特の光沢、こし、また丈夫さ
に欠ける糸です。
生糸以外は副蚕糸(ふくさんし)と言います。
例えばデパートで以前はワゴンに乗った安い反物が目玉商品として販売されていました。
今でも店頭に安い目玉商品を展示している所があります。それらは絹100%の商標が付けられていますが、絹紡糸100%s使用のものや、何十%か絹紡糸が含まれている商品がほとんどです。
きものを着るときに伊達締めという10cm位の幅のある紐条のものを2本使用します。
その伊達締めには各学院オリジナルの物が沢山ありますが、昔からの博多織りの伊達締めが一番理に適って使い良いものです。
その伊達締めは最近京都で織った京筑というものが出回っています。それには絹紡糸が使用されています。見た目は博多織りのものよりも奇麗ですが、使って糊が落ちてしまいますと腰が無くなり紐状に幅が寄ってしまい扱い難くなります。
同じ絹100%でも絹紡糸はこしや強度がなく木綿と変わらないもので、私に言わせれば粗悪品です。
同じ絹100%と表示していましても全く異なりますので、生活の知恵として知っておいて頂きたいとおもいます。
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