2009年12月26日土曜日

無常



  水上勉先生は良寛という著書の中で般若心経に書かれている「色即是空」が仏教の基本だと書かれています。
 私の家は浄土真宗ですから般若心経は唱えません。他力と自力と相反するようにおもいますが、そんなことはありません。
 浄土真宗では
一期は夢ぞ 狂わんと 言えどもせんなき幻の 人の命は石火より
はやく消えゆく宿命なり われが先かや 人や先 朝の紅顔たちまちに
無常の風の吹きくれば ふたつの眼とく閉じて ただ白骨ぞ残りけぬ
ただ白骨ぞ残りけむ
と我々に無常を唱えて説教をいたします。
 大宇宙の摂理からすれば、私たちの命も含めて全てがあっという間に移り変わっていきます。色即是空の空とは、そういう無常のものに捉われるなという意味だそうです。
 瞬時に移り変わっていく無常のものに捉われるなということでは、自力も他力も仏教の基本は同じです。
 私たちは長生きしたい、賢くなりたい、金持ちになりたいと様々な色の世界に捉われます。捉われることによって様々に苦しみ悩みます。確かに捉われなければ心豊かに生きていけるのですが、欲深い我々凡人には無理なことです。
 無理なことですが色即是空の意味を知って己の心に問いかけていれば、少しは己の心を制御してくれます。
 私も昨年は脳腫瘍を患ってもうだめかと思いましたが、普段から最後というものを意識していましたので恐怖心は湧きませんでした。
 幸い何の後遺症もなく無事生還することができました。
もう少し頑張れという神のありがたい声だと思い、精一杯前向きに生きようと心を新たにしました。
 その一つの試みにパソコンが出来ませんでしたので、パソコンを勉強しました。パソコンを初めて一年と少しです。
 パソコンは奥が深くて我々年寄りには難しいです。まだまだ分からないことだらけですが、私のような者の意見でも発表できるありがたい機関ですから、遊びの具として用いるだけでなく少しでも人様の役に立てる用い方をしたいと頑張っています。

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